水彩絵の具には、チューブ入りや固形、液状といった形状のものの他に パンと呼ばれる半練り状のものがあります。左図のものはハーフサイズで、 ご覧のようにとても小さいサイズですが、よほど大量に使用しない限りは十分なサイズです。 持ち運びに便利で、なによりメンテナンスが楽なので、ものぐさな私は専らこれを使っています。
値段は原材料やメーカーによって違いますが、400~1200円くらいです。
【おすすめのメーカー】
レンブラント、シュミンケ(ホラダム)、マイメリ、ウィンザー&ニュートンなど。値は張りますが損はしませんので、ぜひ1個2個からでも使ってみてください!
「透明水彩」というカテゴリーで扱われていても、そのすべてが透明色なわけではありません。 カテゴリー的にいう「不透明水彩」というのは通常ガッシュのことです。 透明水彩の場合、たいていのメーカーでは、透明(トランスペアレント)か不透明(オパーク)か あるいはその中間か、などといった情報を色見本などに明記しているので、 あらかじめそれを知ることが出来ます。たとえばチタニウムホワイトなどはほぼ完全な不透明色で、 修正やハイライトに使われます。全体の傾向として、 アースカラー系(イエローオーカーなど)には不透明のものが多いです。
透明/不透明以外にも色によって異なる特性はいろいろあります。 描き手はこれらを把握した上で、あるていど特性に適した使い方を考える必要があります。
染み付く色は、修正が難しい特性がありますが、乾いてから、 その上へ別の透明色を重ね塗りするときには有効な色です。多くのレッド系や、 セピアなどが染み付きやすい色です。 コバルトなど重い材料で作られた色は、他の軽い色と混ぜてしばらく置くと、分離します。 つまり比重の重い色が下へ沈むのです。こうした色を紙肌の粗い紙でウォッシュすると、 細かい窪みの中へ色が沈むので、ざらざらしたテクスチュアが得られます。 ウェット・イン・ウェットでも、このテの色は自分からは動いてくれないので、 放っておくと最初に置いた位置のままじっとしています。
色どうしの相性というのもあります。グリーンを作ろうとしてさまざまなブルーとイエローを混ぜてみると、 濁る場合とそうでない場合があります。重ね塗りをしたときに、 下の色が上の色をはじいてしまうこともあります。ただトーンを落としたいだけなのに、 濁ってしまっては台無し!というケースもありますね。水彩は混色で色を作る画材なのですが、 相性を踏まえて色を混ぜることも必要なようです。
初めからたくさん色の揃ったセットを買うのは大変ですし、実際あまりおすすめしません。 描く人によって題材も違うでしょうし、最初に買う色はその人の好みでよいと私は思います。 そこで、ここでは、私の好みの(よく使っている)色をあげておきたいと思います。 よろしければ参考にしてみてください。
※サンプル画像は、実際に出した色をスキャンしたものですが、 ディスプレー仕様等により実際とは若干色味が違います。
パーマネントレモンイエロー
明るく冴えた鮮やかなイエロー。グリーンを作るときのベースにしてます
カドミウムイエロー
深みと明るさを兼ねそなえるイエロー
ガンボージ
深みのある強いイエロー。混ぜると濁る
イエローオーカー
アースカラーの基本。出番多し
バーントシェンナ
赤みの強いアースカラー
ローアンバー
アースカラー中間色。粒状化色の代表格
ペインズグレー
トーンを落とすときにはこれ。ブラックは殆ど使いません
コバルトターコイズライト(W&N)
爽やかなグリーンがかったライトブルー
コバルトブルー
高貴で冷たく冴えたブルー中間色。濁る
プルシャンブルー
オリエンタルな柔らかいブルー
キナクリドンローズ
青みがかった落ち着いたローズ。強い色
パーマネントローズ
明るいローズ。ネイプルスイエローなどと混ぜてきれいな肌色に
透明水彩えのぐ
特性や色ごとのクセを活かして、この素晴らしいメディウムを使いこなしましょう。