
その起源は3,500年前とも言われる、地上最古の馬種。 中央アジアのステップ地帯に生まれ育ち、その歴史は様々な伝説に彩られていますが、 一時は絶滅の危機に瀕したこともあったのです。
1935 (一説に1937)年、トルクメニスタンのアシュハバードからモスクワまで、 およそ4,100キロの距離を87日間で走破したという記録があります。 その道程には360キロに及ぶカラクム沙漠があり、 アカール・テケはこの砂漠を水も与えられず3日で越えたといいます。 また帝政ロシア時代の1820年にも、ロシアへの1,000キロの道のりを7日で越えたという記録があり、 その耐久性とスピードはアラブやサラブレッドを上回るものです。 また競技馬としても 1960年、アブサンテAbsentという名のアカール・テケが、 オリンピックの馬場馬術で金メダルを獲得しました。
最近では、サラブレッドの根幹始祖馬ダーレイアラビアン(エクリプス系の祖先)も このアカール・テケだったのではという説も唱えられています。 こうなると現在の大多数のサラブレッドが、アカール・テケの子孫ということになってしまいます。 ネアルコやネイティヴダンサー、ハイペリオンなど、 主なサラブレッドの父系はどれもエクリプス系だからです。 しかし、確かにアカール・テケの能力的な点は勿論、まっすぐなプロフィル、 尾付の低さなど、ルックス的な共通点においても、 この説はあながち空論ではないと思わせるものはあるのです。
アカール・テケは、そのサラブレッドとの交配により、 一時60頭前後まで減った時期もありましたが、現在は徐々に個体数を取り戻し、 ロシアとトルクメニスタンを中心にブリードされています。 それ以外の土地では、ドイツとアメリカが繁殖に熱心なようです。 そしてオリジンの地トルクメニスタンでは、国をあげて保護と売り込みに力を入れ、 アカール・テケのために「馬大臣」まで置いているといいます。
歴史
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トルクメニスタン
原産地
適した用途
乗用馬
特徴
優れたスピード、スタミナ。ジャンプも得意。
性質
活発で勇敢。だたし強情で反抗的な面もある。
体高 144~152cm。 直頭(まっすぐな横顔)、長くまっすぐな背、引き締まった腹、脚は丈夫で繋が長い。 皮膚は薄く滑らか。たてがみは短い。
体格
鹿毛、芦毛、青毛、河原毛、“ゴールデン・ハイライト”(黄金色!)。 少量のマーキング。
毛色
草原の黄金の馬 アカール・テケ
Legendary Golden Horse, AKHAL-TEKE
一日千里を駆けたと中国の伝説に残る“汗血馬”の子孫──美しくも驚くべき能力を秘めた、素朴で繊細な名馬。サラブレッドの祖先では? とも言われている、ミステリアスな馬の姿をご紹介しましょう。
最終更新日 2007/9/30 (初版 2001/2/7)